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昭和のくらしESD

民俗文化教育

概要

衣食住や季節行事の画一的西洋化や自動化・外部委託化などにみられるように、日本の民俗文化は、商業主義勢力の影響を色濃く受けており、文化的豊かさの創造力や価値観は、この半世紀の間に著しく低下しています。

例えば、衣では、西洋型ファーストファッションの一般化が、食では、ジャンクフードによる食習慣の乱れが、住では、マンション暮らしの増加による人口偏在化問題(都市部の過密と農漁村部の過疎)や、このような住環境によって引き起こされる感覚力や文化的基本能力(学力)の低下があげられます。季節の祭事では、ハロウィンやクリスマスの認知度が高く盛大に行われる一方で、日本の伝統祭事である七夕や亥の子・十日夜に対する認識は、前記の西洋の祭事よりも低く、亥の子・十日夜に至っては、知らないという人も少なくはない状況にあります。

商業主義による民俗文化の歪曲化は、公教育の現場も決してその例外ではありません。そのことは、現在使われている国語や家庭科などの文部科学省検定済教科書を読めば一目瞭然です。生活文化の西洋化に関してものを言わせないような内容の説明文や、四季の移ろいに寄り添うといった、日本人が大切にしてきたこころを欠いた内容構成、実用を意識した手作業の軽視などが挙げられます。

銀鮒の里学校の民俗文化教育では、海外からの商業主義勢力の影響を受ける以前の昭和中期頃までの暮らしで大切にされてきた、暮らしのよき習慣や知恵をとりもどし、日本の生活文化としての正常化を図ることを基本とします。そのうえで、最新の知恵をバランスよく盛り込むことで、暮らしや社会をほんとうの意味で発展させることのできる基礎力を育てていきます。