ホーム > 教育活動情報 > 昭和のくらしESD > 保健衛生教育

昭和のくらしESD

保健衛生教育

概要

現代特有の保健衛生問題のひとつであるアレルギーの問題は、誤った衛生認識の定着に起因する人災といえる場合が多くあります。昭和中期頃までの日本人は、あらゆる(微)生物との交渉を受けて育ってきたこともあり、免疫力が強く、今日のようなアレルギーの問題はほとんどなかったといわれています。

化学物質などを使って菌を殺さないと気持ち悪いという潔癖志向も、抗菌グッズのブームに象徴される、商業主義勢力が植え付けてきた誤った衛生認識です。また、ジャンクフードや食品添加物、西洋化による肉食偏重による食生活の乱れは、便秘などの消化器疾患や素行の消極(粗暴)化などの心身の変調をきたす原因になっています。これらのことが相まって、排便(うんち)に対する誤った認識が小学校児童を中心に広まり、今や小学生の便秘やそれに伴う学校生活への悪影響が大きな教育問題に発展している実態があります。

その一方で、合成化学物質には無頓着で、合成洗剤で洗濯することによって発生する雑菌の臭いに妥協したり、そのような不衛生な臭いをごまかすために、強い香りの柔軟剤を使ったり、毒性の強い成分を含む消臭スプレーはためらいなく使うという、衛生観のねじれ現象も、教育現場で問題となっています。揮発性化学物質に敏感な体質の人が、柔軟剤などの合成香料の臭いで苦しめられる「香害」という新しい衛生問題も社会問題となっています。

銀鮒の里学校の保健衛生教育は、まずは、周りの大人(教職員や保護者など)が、健康な子どものからだから出るあらゆるものを肯定的に受けとめることからはじめます。そして、子どもたちもそのことをうけとめ、肯定的に理解しあうことで、だれもが安心して「お口で食べて、おしりのあなから出す」というごくあたりまえの生理的行為ができる環境を実現します。そのためには、正直でよいものを食べ続けることも大切ですので、食育と一貫した取り組みとして実践していきます。

あわせて、これまで人間が曝露したことのない(曝露経験が非常に浅い)ような合成化学物質やタバコのような生体異物(ゼノバイオティクス)こそが、衛生の最大の脅威であるという認識を共有します。