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昭和のくらしESD

科学技術(STEM)教育

概要

STEMとは、Science(基礎自然科学)、Technology(科学技術(応用自然科学))、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字であり、すなわち、STEM教育とは、理数系分野に重点を置く教育のことを指します。

小学校や中学校の理科の文部科学省検定済教科書を読めばわかるように、理科は日常生活に最も身近な教科であるにもかかわらず、身近なものやこととの関わりが見出しにくい内容になっています。例えば、理科室でしかできないような実験や、単元間のつながりがわかりにくいような内容などです。

理科や算数・数学は決して暗記科目ではありません。それにもかかわらず、公立学校での理科教育や算数・数学教育では、多くの学習内容を暗記(知識の詰め込み)によっているのが現状です。その結果、日常生活で活用できるような科学的思考力が身につかないまま、苦手意識を持ったままで卒業してしまうという原因となり、理科離れの原因にもなっています。

教材の問題もあります。本来は、教材は手づくりが基本ですが、「インスタント食品」に喩えられるような営利商品が使用される場合が多く、公立学校教育においても、商業主義の影響が浸透している実態があります。現在は、情報教育においても、オープンソース・ソフトウェアや非営利の市民プロジェクトの開発品などの品質も高いものがありますが、日本国内の公教育の現場ではほとんど普及していません。

銀鮒の里学校のSTEM教育では、教材から可能なかぎり手作りにこだわります。STEMのすべてに関して、一から論理構築をすることを通じて、一つひとつの自然科学的事象を認識しながら、思考過程(プロセス)を組み上げることを大切にした教育を行います。情報教育では、Windowsなどの商業ソフトウェアは使用せず、LinuxをOSとしてオープンソース・ソフトウェアを活用します。このような丁寧な取り組みを通じて、商業依存から脱した民主的科学技術を空気のように学ぶプログラムを最大の特徴としています。