銀鮒の里教育概論
学業成績の正しいあげ方
良質なあそび体験をしっかりさせることが大切
本来、学問とは、日常生活と密接な関係があるものです。ですから、学ぶとは、生きる力を育てることなのです。
とくに、実学といわれる理科や算数(数学)のような自然科学系の学問はわかりやすいでしょう。これらの科目で苦手意識を持つ最大の理由は、身近な事柄との関係性を見いだせず、学習者自身にとって必要性を感じないからです。現在の公教育では、つながりを軽視した、内容の単純詰め込みで、そのようにさせがちな傾向にあります。ですから、とくに公教育を受けている子どもにおいては、自ら科目と身近な事柄との関係性を見出しやすくするような機会の積極的設定がとても重要な課題になってきます。例えば、こままわしのような昔あそびは、慣性力や摩擦力といったような、理科の物理学の要素を含んでおり、あそびの技能習得を通じて、さまざまな哲学的思考が自発的にできるようになります。さらに、技能習得に至るまでの試練を通じて、学業にも大切な精神的ねばり強さも鍛錬できます。自身が課した試練を経て技能を自分のものにできたよろこびはこの上ないものであり、積み重ねで自信(自己肯定感)につながっていきます。
昔あそびや自然あそび、科学あそびのような良質なあそび体験は、単なるあそびに終始するのではなく、さまざまなかたちで学問にもつながっており、学業成績の向上にも有効に働くことが期待できます。その一方で、通塾率が全国有数の高さの大阪府でも、学力テストの成績は全国最下位レベルであるという、一見して矛盾するような事実もあります。思いっきりあそべるうちに、良質なあそびにいかにしっかり触れさせられるかが、学業成績向上に関しても、とても大切なことであるといえます。
毎日の快便うんちはとても重要
近年になって、幸せホルモンといわれるセロトニンは腸でつくられるという「脳腸相関」という事実がわかり、話題となっています。いいかえれば、積極思考で脳を活発に働かせるには、毎日、快便うんちをしっかり出して、腸を元気にしておくことが非常に重要ということになります。しかし、その一方で、学校でうんちができない子どもが増え、うんちを我慢したことによる便秘に悩む子どもが5〜6人に1人はいるといわれています。(とくに、大阪府では小学生の3人に1人が便秘ともいわれています。)
子どもが毎日快便うんちができるようになるには、まず、両親や担任の教員、教育NPOのスタッフなど、子どものまわりのおとなが、子どものうんちに対して正しく理解し、関心をもつことがなにより重要となります。子どもには、うんちをした後はすぐに流すようにしつけるのが常識といわれていますが、その考え方を改めるべきです。一緒くたに「うんちは(病気の原因になるくらいに)きたないもの」という誤解や偏見を正すことが必要です。九州大学の研究チームの調査では、日本人(東京・福岡)の小学校児童の糞便はビフィズス菌がたいへん豊富に存在する一方で、腸内細菌科の悪玉菌は、周辺のアジア諸国の児童と比べても、桁違いに少ないというエビデンスが得られ、発表されています。このように、日本人の子どものうんちは、たいへんきれいなものなのです。子どものうんちに対する認識を改めたら、子どものうんちはながさないで、しっかり観察をしてあげましょう。そのとき、硬さや感触、色、香り、味といった五感を働かせて観察するのが理想的です。(健康な子どものうんちなら、おとなが食べると、腸内細菌の状態が好転し、おなかの調子がよくなるほどです。)理想の子どもうんちは、みそくらいの硬さのばなな型から、煮豆くらいのかたさのお豆状うんちがさつまいも状にねばりかたまった、できるだけ明るい色のうんちとされています。ビフィズス菌や乳酸菌に起因するほのかな酸味があり、香りは、発酵したぬか床のようなほのかに酸っぱい香りがし、悪臭はほとんどありません。一日のうんち量(男女とも)は、小学校1〜2年生で150g(太さ3cm)以上、小学校3〜4年生で200g(太さ3.5cm)以上、小学校5〜6年生で250g(太さ4cm)以上の極太うんちをめざしましょう。このような元気なうんちが出るようにするには、ジャンクフードは口に入れさせず、「まごわやさしい」といわれる伝統的和食の食習慣を日常的に実践することが効果的です。