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商業主義問題と市民感覚

生活の価値観を根本的に改悪したアメリカナイゼーションの問題

今日のライフスタイルでは一般的になりすぎて気付かれにくいこともあるほど、アメリカナイゼーションの影響は、いたるところにみられます。一般的にいえば、つくる(生産する)側が利益をあげやすくなるような合理化(量産工業化)ですが、使う・消費する側にとっては、見た目上の豊満感をもたらすだけで、持続的にこころを満足するとはいえないものが多いものです。例えば、次のような例があります。

昭和初中期 高度経済成長期以降
和服の普段着(フォーマルのみ洋服) ほぼ完全に洋服化した普段着・ビジネススタイル
石けんでの手洗い洗濯または半自動式洗濯機での洗濯 合成洗剤での全自動洗濯機での洗濯
学校給食

戦前:質素な和食中心

戦後:アメリカララ物資によるパン(小麦)・脱脂粉乳中心

学校給食

パン+牛乳+おかずの組み合わせが主流

市民運動により、米飯給食の割合が増加傾向

家庭での食生活

「ちゃぶ台でごはん+和食」が中心の庶民食文化

地元の食材を使う手作りが原則

家庭での食生活

「テーブルでパン+洋食」が中心の庶民食文化(カロリーベースで輸入食品が大多数を占める)

加えて、外食・中食・個食(コンビニ食)の食文化(手作り離れ)

学校

木造校舎と総無垢材の机・いす

学校

鉄筋コンクリート造、塩ビ壁紙・突板貼りの校舎と合板(プライウッド)と鉄パイプの机・いす

家庭

伝統工法の木造家屋と総無垢材の和家具

家庭

構造部工場生産、半組み立て式、塩ビ壁紙・突板貼りの近代アメリカ式家屋(一軒家・マンション)と塩ビプリント合板の家具

もちろん、アメリカや欧州のカントリー・テイストのように、自然の風合いを活かしたような和の市民感覚にも通じるものもあり、洋風化のすべてが問題というわけではありません。しかし、合理化の名の下での資本主義的論理に基づく、行き過ぎたアメリカナイゼーションは、確実に日本人から日本のこころを奪い去らしめました。