ホーム > 銀鮒の里教育情報 > 銀鮒の里教育概論 > 商業主義問題と市民感覚 > 米国マクドナルド社侵略的進出の負のケーススタディ

商業主義問題と市民感覚

米国マクドナルド社侵略的進出の負のケーススタディ

大手ジャンクフードチェーンの米国マクドナルド社の日本における侵略的進出(日本法人(以下、McDo)の設立)は、米国型資本主義的論理に基づく、市民感覚の略奪的支配の典型的事例として、よく知られています。

1971年、東京に日本進出第1号店が開店させたのが、日本におけるMcDoの始まりとされていますが、当初はほとんど売れなかったといわれています。それもそのはずで、この時代には、生活様式の急速な西洋化が進んでいたとはいえ、まだまだ日本の伝統的生活が色濃く残っており、薄っぺらのパンに薄っぺらの肉切れを挟んで食べるといったジャンク色の強いスタイルは、到底受け入れられるはずもなかったのです。そこでMcDoは、染まりやすい純粋な子どもや、無知でミーハー(=新しいもの好き)といわれる若いパパ・ママ世代を狙い、独特のキャラクターとマスメディアを巧みに駆使した露骨な販促戦略を展開します。そのような販売戦略は、衣食住の急速な西洋化・無考(シンクフリー)即席化と相乗効果(シナジー)を起こすかたちで功を奏し、今日では外食業界首位に躍り出るまでになったのです。これは、アメリカナイゼーションによる日本文化の侵略的破壊の象徴であり、日本として恥ずべきことといえます。日本の市民活動家層の間では、日本進出の頃から一貫して反感を抱く対象であったことは、いうまでもありません。

また、McDoは、独自のいわゆる「ポテト7分、バーガー10分廃棄ルール」を自社店舗で実践することで、食品を粗末にする文化を植えつけたことも批判の対象にされています。もともと日本人は、食べ物を大切にする国民性であり、弁当文化に象徴されるように、時間を経過した食品を食べることには寛容なのです。当然、当初はこの異常ともいえるルールに強い異論がありましたが、今日では、「賞味期限・消費期限」意識の定着で、手付かずの食品を捨てることに抵抗がなくなり、異論を唱える人もかなり減りました。今日では、学校給食における調理後2時間廃棄ルールが多くの地域で実践されています。しばしば病原性大腸菌O-157禍による対策と説明されていますが、原因食材は、牛糞で汚染された加熱不足牛肉であり、ほとんどの場合、全く無関係です。病原性大腸菌O-157禍も、原因となりうる食材を日常的に扱うMcDoは密接な関係があり、学校給食にも影響を与えて過剰反応せしめた経緯があります。学校給食の調理後2時間廃棄ルールも、McDoの廃棄ルールの影響があるのではないかとも指摘されています。