亥の子まつり
亥の子まつりのこころ
亥の子まつりの文化は、九州・中国・四国・近畿などの西日本を中心に分布しており、一説には南関東にまで及ぶともされています。また、北関東と新潟県あたりには、亥の子まつりと同じ頃に小麦でつくったお餅をつくって食べる十日夜(とおかんや)というまつりを祝う風習があるとされています。同じ亥の子まつりでも地域差があり、例えば、九州・中国・四国地方では、亥の子槌は、石や鉄の塊に縄を放射状にくくりつけ、その縄をみんなで引っ張り合って、中心の槌を上下させて土をつく儀式を行います。豊能郡あたりでは、わらで先を太くした槌をつくり、一人ずつ土を突く儀式を行います。亥の子餅は、猪の子(うりぼう)に模した、外側をこしあんで包んだものが多いですが、豊能郡の家庭では、俵型のぼたもちをつくるのが一般的のようです。亥の子まつりの最大の特徴は、こどもたちが企画から運営まですべてを主体的にやることにあります。そのこどもたちの主体的な取り組みに、地域の人たちが協力することで、亥の子まつりは成り立つのです。
まつりを祝う意味としては、主に豊作への感謝、次期の豊作祈願がありますが、その他にも、いのししが多産であることや強健であることにあやかっての子孫繁栄祈願や無病息災祈願、さらには、この時期は、立冬とほぼ重なることもあり、冬支度としてこたつを出すと、火災を免れるのでよいともいわれています。
偶然にも、亥の子まつりの風習は、西洋のハロウィーンといくつかの共通点があります。いずれも秋で1週間程度の違いしかないこと、こどもが主役のまつりで、家々を回って、お菓子などを催促することなどが挙げられます。異なる点は、現在の日本のハロウィーンは、商業的なきっかけで広まったのに対して、亥の子まつりは、平安時代から代々伝わる由緒正しき日本の伝統祭事です。由緒正しき亥の子まつりを見直すことで、今日の日本が忘れかけている大切な何かに気づかせてくれることでしょう。
能勢の里山で亥の子まつりを開催
2020年11月15日(日曜日)、能勢清流工房との協働企画として、亥の子まつりを開催します。亥の子まつりは、現在でも能勢町のこどもたちの間で行われている伝統祭事ですが、都会のこどもたちの間では、ほとんど知られていないのが現状です。能勢町は、大阪市内からは約40km、車で1時間程度で行ける身近な里山です。商業的勢力の勢いで日本に定着した経緯があるハロウィーンやクリスマスのような派手さはありませんが、亥の子まつりは、現代のこどもたちが忘れかけていた、おてんばごころ・わんぱくごころや輝く笑顔、人と人とのきずなを呼び覚ましてくれることまちがいなしです。一度は衰退しかけた亥の子まつりの風習を発展的に継承しようと、銀鮒の里学校は、こどもたちのはじける笑顔を想いながら、まごころ込めて準備に取り組んでいます。11月中旬は山々の紅葉や、至るところに熟した柿が実る、一年のうちで最も里山情緒のある、素晴らしい季節です。ぜひ、ご家族連れで、能勢の亥の子まつりの一日をお楽しみください。(下のボタンから、チラシをダウンロードできます。地元の住民の方限定のご優待特典もあります。)