ホーム > 教育活動情報 > 銀鮒の里学校とSDGs > 【10】人や国の不平等をなくそう

銀鮒の里学校とSDGs

国際社会における立ち位置を考える教育

現代日本のぜいたくなくらしは、発展途上国からの搾取の犠牲のもとで成り立っているといっても過言ではないほどです。例えば、搾取行為がひどいものの例としては、次のようなものがあります。

品目 原産地 搾取行為の内容
まぐろ缶詰 東南アジア(タイ、インドネシア、フィリピンなど) 労働者への暴力・人権侵害、低賃金過重労働など
タバコ 世界各国(マラウィなど) 児童労働、危険労働(緑タバコ病を発症)など
カカオ豆 アフリカ西部など 児童労働、低賃金過重労働など
コーヒー豆 世界の熱帯地域 児童労働、低賃金過重労働など
ゲーム機(半導体の原料) アフリカ諸国など 児童労働、低賃金過重労働、危険(鉱山)労働など
ファーストフード店向け半加工品 東南アジア(タイなど)、中国 児童労働(?)、低賃金過重労働など

上表に掲げた例は、消費をやめたり、代替することが比較的容易なものの一例であり、市場動向の関係などから代替が困難なものも含めると相当数あります。

市場動向(価格差・実流通数)などの関係から、代替が困難なものの例として、ファーストファッションと呼ばれる服装や靴などがあります。これらも、人件費が安い東南アジア諸国などで生産され、さらに利益をあげるために、より人件費が安い児童が使用されることもあります。これには、裕福な家庭でないと初等中等教育が受けられないという現地の社会事情や、「将来、家庭を持つためには、女子が労働し、賃金を稼ぐべき」とする現地のしきたりも影響しており、国際的企業による搾取行為を助長しているともいわれています。さらに、「先進国で売れるから、搾取労働はやめられない」という資本主義の論理が働くことで、問題の解決を困難にしているという実態も否めません。

このような人や国の不平等をなくすためには、まずは、私たちが、国際社会の現実を正確に把握し、理解することが欠かせません。そのうえで、私たちは、まず、何をすべきかを考える機会を設けることが大切です。銀鮒の里学校では、子どもたちに国際社会の課題を身近なことから気づき、考えるきっかけにつなげていくようなESDカリキュラムを、実現可能な範囲で開発していきます。例えば、上表に掲げたようなものは不使用や代替を進めていき、ファーストファッションの問題は、昭和の頃に一般的に行われてきた手作り(裁ほうなど)のための技能習得の機会を増やすことで、「くらしで必要なものは、お金を払って買うのではなく、知恵を活かして手作りする」という文化の再興のきっかけにつなげていきたいと考えています。