銀鮒の里学校とSDGs
「いつもの買い物が、市場の寡占状態を招いたり、どこかの国の戦争を泥沼化させたり、子どもの教育の機会を奪うとしたら…」
信じたくないことでしょう。しかし、それらのことは、すべて現実の世界で起こっていることなのです。
市場の寡占状態は、例えば、パソコンのCPUは、最も顕著な例のひとつで、インテルがほぼ独占している現状があります。とくに理由もなく大手企業の製品を買うことも、寡占状態を招いたり、富の偏在が生じる原因となります。
中東情勢の緊迫もまた、特定の企業が加担しているとされています。イスラエルに拠点を置く企業は、その利益をイスラエルにもたらします。イスラエルは軍事開発が盛んなことで有名な国であり、国境のパレスチナ地域に度重なる攻撃を行い続け、罪のないパレスチナ市民を苦しめています。営利企業にとって、キャッシュフローが滞ることは最大の脅威ですから、このような戦争の支援に関わっている企業の製品を買わないことは、私たちが中東の平和実現に近づけるためにできる、実効性のある取り組みのひとつといえます。
10番目の目標にもあるように、児童労働が関わったとされる輸入品は、くらしのあらゆるところに浸透している実態があります。できるところからフェアトレードの製品に替えたり、コーヒーやココアから国産の茶に替えるように、購入する品目そのものを、児童労働に関係のないものに替えていくという実践は、発展途上国の子どもに、質の高い学校教育の機会を与えることにつながっていくのです。さらに、タバコにはフェアトレード品は存在しませんから、禁煙は公正取引(フェアトレード)推進にもなるのです。
銀鮒の里学校では、国語文化(社会科分野)で、国際情勢と資本主義経済とのつながりについての教材を独自に開発し、アクティブ・ラーニングのかたちで実践していくことを通じて、常にTGAL(Think Globally, Act Locally)の基本理念をもった、国際的配慮を日々のくらしに反映できる市民感覚を育てていきます。