ホーム > 教育活動情報 > 銀鮒の里学校とSDGs > 【12】つくる責任、つかう責任

銀鮒の里学校とSDGs

消費者教育が原点の教育機関として

石けん普及運動や化学物質のリスクコミュニケーション、それは、銀鮒の里学校発足の原点です。

合成洗剤や殺虫剤、食品添加物といった化学物質に起因する問題は、元をたどれば、「つくる責任とつかう責任」が軽視されてきたことによって起こっている問題といえます。製造者や販売者には、安全で信頼できる製品を供給する責任があり、消費者には、正しく選んで正しく使う責任があります。化学製品に関連して、これらの責任を確実に果たすためには、化学の理解が必要となります。しかしながら、価値観の固定化で、とくに化学を学んだことがない消費者や、学校での化学が苦手だった消費者に対して、化学の理解を広めていくことは、困難をきわめたのです。

このように、大人の価値観を変容していくことは困難ですが、その一方で、小学生から高校生をおもな対象としたESDによる行動変容が注目されるようになってきました。教育におけるESD一般化の兆しにいち早く呼応し、子どもの教育から消費者行動(コンシューマリズム)を変えていこうという動きとして、2015年に、銀鮒の里学校は立ち上がったのです。

もちろん、銀鮒の里学校はオルタナティブ・スクールですので、ESD全般を網羅した教育カリキュラムを実践しますが、そのなかで、地球全体と身近な地域との両方を見つめて、消費者行動に反映する国際消費者行動(グローバル・コンシューマリズム)教育は、銀鮒の里学校の教育の基幹を構成する重要なものです。

銀鮒の里学校は、学んだ智を有機的に結び付け、哲学的考察をし、消費者行動へと反映していくことで、周囲に影響されない、自立的で冷静な判断ができる消費者行動ができるような人を育てていきます。