銀鮒の里学校とSDGs
海から遠い里山では、「海の豊かさ」といっても、あまり関係がないと思われた時代もありました。しかし、今日では、流域を通じて、里山の森林から流れ込む自然の栄養分が、藻場やプランクトンを育て、海洋の豊かな生物多様性をもたらすという「里山と里海とのつながり」の概念が一般的に認識されるようになってきています。
銀鮒の里学校では、職業教育(農村社会起業モデルづくり)の一環として、高効率石けん工房の「鮒庵」を併設する予定としています。石けんは、すすぎの際に、直ちに界面活性作用がないかたちに分解されてしまううえ、生分解されやすい分子構造のため、河川流域や海を汚す心配がありません。そのうえ、高効率石けんは、使用時の分解を抑えることで、石けんの使用量を大幅に減らせるため、水環境に与える影響は、さらに小さくなります。
海とつながった河川流域に学校があることで、流域のつながりで考えるということが日常になり、海洋保全の意識向上が期待できます。銀鮒というシンボルには、身近な川に協調的にくらす、よき市民の象徴という意味も込められているのです。